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復興
今回の震災に対して、「今、日本は第3の敗戦を体験している」という表現をしたのは堺屋太一氏。第1は、倒幕、そして明治維新につながった薩英戦争での敗戦、第2はもちろん太平洋戦争の敗戦。どちらもそれまで絶対的に強いと思われていた武士と大日本帝国の存在と価値感が覆された革命的敗戦です。どちらの敗戦からも、日本はもとの日本に戻すことをせず、ゼロから新しい日本をつくりあげてきました。そして第3の敗戦と言うべき今回の震災。ここから、日本はどう新しい国をつくりあげていけばいいのでしょうか。
このアルミの弁当箱は、友人のお父さんが、ラバウル基地に勤務していた時、撃墜した敵機の残骸のアルミ部品からつくった弁当箱です。お父さんはどんな気持ちでこれをつくったのでしょう…。この弁当箱こそ、ほんとうの復興のカタチではないでしょうか。人を殺すための戦闘機から、人を生かす食事の器に生まれ変わったこのアルミの数奇な運命に思いを馳せると涙が止まりません。ダイナマイトや原子力と同様、人間の使い方によってモノの価値は180度変わってしまうのです。第三の敗戦と言われる今回の震災から復興するために、みんなで力を合わせ、生命を育むための弁当箱とその中身をつくっていきたいと、切に切に願うばかりです。
日時 2011年04月13日 13:08 |
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